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Abendの憂我な部屋

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2013年 04月 23日

マルケヴィッチのベートーヴェン序曲集

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 タイム/ライフというところが発売したDG盤。『コリオラン』、『レオノーレ』の3番、『フィデリオ』、『献堂式』、『エグモント』の序曲が入っている。オケは、ラムルーSO。

 私がクラシックを聴き始めた頃、マルケヴィッチといえばフィルハーモニアOとの『春の祭典』だったが、聴いてみると堅実な演奏で、この曲の構造がよく聴いて取れたものだった。メータ盤の爆演が有名になると、マルケヴィッチ盤はあまり顧みられなくなったが、それでも一部の愛好家からは根強い支持を得ていた。

 マルケヴィッチが再びブレイクしたのは、GOLとの『展覧会の絵』だった。鬼才vs伝統というイメージが売りにされたが、そういう商業戦略とは無関係に、この演奏は素晴らしいものだった。ドイツの伝統オケが『展覧会の絵』をやること自体は別にどうということもなく、驚きという点では、スイトナー/SKDのハルサイの方がよほど凄かった。

 マルケヴィッチがフランスのオケを振ってベートーヴェンをやるというのは、今ではどう思われているのだろうか。斬新か、キワモノか、それとも何とも思われないのか。これは、指揮がマルケヴィッチであることよりも、フランスのオケによるベートーヴェンをどう思うかによって分かれるだろう。

 このレコードは1958年の録音で、オケの音色に明確な「国境」があったことが感じられる。マルケヴィッチという、ローカル色が希薄な指揮者が鍛えたラムルーSOも、音色という国境は堅持している。現代では、この国境も急速に無化されつつあるが、それは指揮者の解釈やオケの思惑とは別の何かによって推進されているような気がする。

# by Abend5522 | 2013-04-23 22:52 | クラシック音楽
2013年 04月 23日

ドラティ/コンセルトヘボウの『新世界より』

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 マーキュリー原盤なので、1959年の録音とは思われないほどの鮮明な、分離の良い音である。民族色は皆無で、ドラティのザッハリッヒな指揮には一点の曇りも淀みもなく、美音と優れた技量のコンセルトヘボウをグイグイと統率して行く。オーケストラ・ビルダーとして名を馳せたドラティが、ヨーロッパの名門オケと組むと、なるほど、かくも素晴らしい演奏になるのかと感心させられた。

 作品は民族色を超えているにもかかわらず、その度合いが演奏の評価基準とされて来た曲は少なくない。『新世界より』の、そのひとつといえる。いわゆる、「本場物」という価値観だ。「本場」の習俗とは無縁の評論家や、それにイカレた愛好家が、よその「民族色」を喧伝するという滑稽な「布教」は、今でも跡を絶たない。こういう評価基準が一日も早く滅することを祈らずにはいられないのだ。

 

# by Abend5522 | 2013-04-23 00:43 | クラシック音楽
2013年 04月 16日

コリン・デイヴィスのこと

 14日、サー・コリン・デイヴィスが85年の生涯を終えた。

 デイヴィスのレコードは、フィルハーモニアOとのモーツァルト序曲集を買ったのが最初だった。EMIの17cm盤である。颯爽とした演奏で、モーツァルトの有名な序曲を好きになるきっかけを作ってくれた。1970年頃だったか、ベルリオーズの歌劇『トロイアの人々』全曲がフィリップスから発売され、話題になったことが懐かしく思い出される。

 ボストンSOとのチャイコフスキー/序曲『1812年』は先にアップしたが、ドレスデン国立Oとのモツレクも忘れ難い演奏だ。彼の録音は少ししか持っていないが、マリナーとともに優れた現代英国の指揮者だったと思う。

# by Abend5522 | 2013-04-16 21:42 | クラシック音楽
2013年 03月 21日

筍の季節

 昨日、自転車で奈良へ行った息子が、小ぶりの筍を買って来た。
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 そこで、夕食は筍ご飯と若竹煮、それに肉じゃが。
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 肉じゃがの発祥をめぐって呉と舞鶴が対立していたが、どうなったのだろう。また、使う肉はこちらでは牛だが、関東などでは豚という。こういうのも面白い。
 

# by Abend5522 | 2013-03-21 21:51 | 日々の事
2013年 03月 20日

雨のお彼岸

 息子が、朝から自転車で奈良へ行ったので、その帰りを待って、午後から妻と五条坂の大谷さんへ墓参をした。
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 雨の昼下がりなので、人もやや少なめ。人の多い所はあまり好きではないから、その方が風情を感じられる。
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 花を買って、まずは母方の墓へ。上の画像の、更に奥の方にある。
 墓地は心が落ち着く。雨にけぶる山の風情は格別だ。下の画像は、清水さんの塔を望んだその一景。
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 墓地から戻り、親鸞の墓所の前に建つ明著堂に参る。ちょうど鐘楼が時を告げ、堂内では『正信偈』が読誦されていた。参拝者の供花で描かれた「西方浄土」の四字も、お盆やお彼岸などではおなじみのものだ。
 明著堂の近くにある戦没者記念堂に一礼し、父方の菩提寺の納骨壇がある第一無量寿堂へ行く。入口が6階になっているので、エレベーターで納骨壇のある3階まで降りる。6階のエレベーターの傍には古い木製のベビーベッドがあって、息子が乳児だった時にはそこでオムツをかえたものだ。

 帰りは四条まで歩き、裏寺町の柳小路にあるカレー専門店「マリーD」で遅い昼食をとり、アヴィスと十字屋三条本店でCDを買った。十字屋はリニューアルされており、ギターの売場が1階に移っていた。3階の管楽器売場まで上がり、バス・クラリネットなどを「へえ~」と思いながら見て歩いた後、2階のCD & DVD売場へ。クラシックとジャズが殆どを占めているのは変わらないが、クラシックの売場面積が狭くなったような気がした。LPも置かれていたが、以前に比して少なくなっていた。
 最後に、これも昨秋にリニューアルされたゼスト御池の地下街へ行ったが、相変わらず人が少ない。地下鉄で来る人々も、ここには寄らずに京極、寺町へと流れて行くのだろう。

# by Abend5522 | 2013-03-20 23:41 | 日々の事