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2015年 08月 19日

ブルックナー/交響曲第4番『ロマンティッシェ』のコンヴィチュニー盤 第8回「演奏時間」

① Opera NR.40/1161(LP/VSO盤/Mono/1960) ※初出盤。録音自体もOperaによる。
② 日本Columbia OS-3398(LP/VSO盤/Stereo/1963.9) ※『フランツ・コンヴィチュニーの芸術』第1集。
③ eurodisc 70 003 KK(LP/VSO盤/Stereo/1964) 
④ 日本Columbia OS-2940-K(LP/GOL盤/Stereo/1973.12) ※日本初発盤。
⑤ ETERNA 8 25 504(LP/VSO盤/Stereo/1974)
⑥ 日本Columbia OC-7055-K(LP/VSO盤/Stereo/1976.4) ※『名曲ギャラリー55』。
⑦ DENON COCO-75401(CD/GOL盤/Stereo/1993) ※『コンヴィチュニーの芸術』①。1960年録音。
⑧ DENON COCO-75407(CD/VSO盤/Stereo/1993) ※『コンヴィチュニーの芸術』⑥.1961年録音。
⑨ DENON COCQ-84623(CD/VSO盤/Stereo/2009.6.24) ※オリジナルマスター修復の世界初CD化。1961年録音。
⑩ Treasures TRE-007(CD-R/VSO盤/Stereo/不明) ※PARNASS 70003よりの板起こし盤。1961年録音。
   ※は、第一楽章のトレモロ抜けの有無を表す。 
 
 新たに⑤・⑩を入手したので加えた。
 上記の10種類を聴き、楽章ごとの演奏時間を以下の状況で計ってみた。
  (1) 計測には、デジタル式ストップウォッチを使用した。
  (2) 1/10秒は四捨五入した。
  (3) 第一音が聴こえた瞬間に計測を始め、残響が消えた瞬間に終えた。
 結果は以下のとおり。
  ① 16:27/13:56/10:13/19:23 計59:59(ジャケ表記なし)
  ② 16:29/13:59/10:16/19:28 計60:12(ジャケ表記なし)
  ③ 16:34/14:02/10:17/19:32 計60:25(ジャケ表記なし)
  ④ 16:26/14:01/10:16/19:28 計60:11(ジャケ表記 16:22/14:25/10:23/19:36 計60:46)
  ⑤ 16:30/14:00/10:15/19:30 計60:15(ジャケ表記 16:42/14:05/10:25/19:37 計60:49)
  ⑥ 16:35/14:03/10:19/19:35 計60:32(ジャケ表記 16:18/13:51/10:08/19:14 計59:31)
  ⑦ 16:31/14:00/10:16/19:30 計60:17(ジャケ表記 16:22/14:25/10:23/19:36 計60:46)
  ⑧ 16:38/14:04/10:19/19:36 計60:37(ジャケ表記 16:42/14:05/10:25/19:37 計60:49)
  ⑨ 16:37/14:04/10:20/19:36 計60:37(ジャケ表記 16:30/14:10/10:25/19:37 計60:42)
  ⑩ 16:34/14:01/10:17/19:31 計60:23(ジャケ表記 16:44/14:07/10:24/19:39 計60:54)

 演奏時間がジャケ表記されるようになったのは、1970年代からだろうか?それにしても、ジャケ表記と自前の計時との差には驚かされる。再生・計時機材や無音部分まで含めるかどうかなどはあるのだが。
 ④と⑦・⑤と⑧のジャケ表記は同一だ。DENONが『コンヴィチュニーの芸術』シリーズでGOL盤⑦とVSO盤⑧を発売する際、新たに計時をせずに先発の④・⑤の演奏時間をそのまま引き写したのだろう。しかし、④と⑦はともかくとして、⑧はなぜ1976年発売の⑥ではなく、ETERNA盤の⑤の演奏時間を引き写したのだろう?⑥のジャケ表記がひときわ目立つのは確かだが、これを避けた理由がわからない。
 ⑨のジャケ表記も不自然だ。第3楽章・第4楽章が⑤・⑧と同一ではないか。しかも、自前の計時では第2楽章も同一で、第1楽章も1秒しか違わず、むしろ⑤との間の時間差が大きい。そして、⑥とほぼ同じである。ゆえに、演奏時間から見れば⑥・⑧・⑨は一括りにしていいだろう。ただ、⑥には第1楽章のトレモロ抜けが無いのに、⑧にはそれが有る。更には、⑨は①以外には使われたことのないオリジナルマスターを新発見し、修正およびリマスタリングしたというにも拘らず、①との間には演奏時間に大きな開きがある。片やLP、片やCDであることを考慮しても、この時間差は大き過ぎる。⑨は本当に新発見のオリジナルマスターとやらを使ったのだろうか?
 初出盤である①の演奏時間は、トータルで見れば10種類の中で目立って速い。しかし、楽章ごとに見ると②・④・⑤・⑦と一括りに出来るだろう。ただし、第4楽章だけはそれらとの差が気になるが。
 ②は、既に述べたように盤ラベルにOpera録音と表記されており、トレモロ抜けもないので①との同一性に問題はない。また、④と⑦は上記のとおりジャケ表記の演奏時間も引き写されたものと思われるので、⑦は④のCD化と見ていいだろう。
 ややこしいのは④と⑤である。④はGOL盤としてeurodiscが発売したものの日本初発盤なのだが、既に述べたように、eurodisc盤のラベルにはドイツ・シャルプラッテンの録音であることが明記されている。また、④より後に発売された⑤は同じETERNAが1966年に発売したモノラル盤を擬似ステレオ化したものらしい。そうであれば、⑤と同じく黒の背景にコンヴィチュニーの指揮姿を配した5番・7番も発売されており、これらも同じETERNAにモノラル盤がある(最近発売された組物CDでは、7番がモノラルに「戻って」いる)。一方、1972年発売のeurodisc盤も4番・5番・7番という組み合わせで、盤ラベルにドイツ・シャルプラッテンの録音とあることから、4番・5番・7番はETERNAのモノ盤(どれもVSO盤)が先ずあって、それを擬似ステレオ化したものが1972年にGOL盤としてeurodeiscが、1974年にVSO盤としてETERNAが発売されたということになるだろう。これは、オリジナルがモノラル録音と仮定してのことだが、聴感上もそうではないかと思う。しかし、このことを以てGOL盤の存在を否定するのには抵抗がある。
 ・④・⑤・⑦と⑥・⑧・⑨は、それぞれ一括りに出来るのではないかと述べた。では、残りの③・⑩はどうかといえば、⑩はPARNASS盤の板起こしであり、PARNASSはeurodiscの通販レーベルである。自前の計時でもほぼ同じであり、⑩の番号である70003からも③と同一であることがわかる。また、③・⑩は⑥と演奏時間がほぼ同じであるから、③・・⑧・・⑩を一括りに出来るだろう。番号を赤にしてあるのは、第1楽章のトレモロ抜けが無いものである。
 今回は、演奏時間の観点から、⑨が本当に新発見のオリジナルマスターを修正およびリマスタリングしたものなのかという疑念をいっそう強くすることが出来た。また、第1楽章のトレモロ抜けについては更に追求して行きたいと思う。

 
 



 




 


   



 
 


 
 





by Abend5522 | 2015-08-19 21:51 | クラシック音楽