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Abendの憂我な部屋

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2013年 01月 28日

一枚のサイン入り色紙


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 往年のTV時代劇『帰って来た用心棒』の出演者である、栗塚旭、左右田一平、島田順司の連名サイン入り色紙である。裏に1969.2.22とあるとおり、もう44年前のものだ。東映京都テレビが制作していた番組なので、家の近所にある糺ノ森で撮影がよく行われていた。このサインは私が直接して貰ったものではなく、何時も行く散髪屋さんの顔ききでお願いしたものだ。

 栗塚旭は、後に哲学の道沿いに喫茶店『若王子』を開業したが、それも10年ほど前に休業した。現在75歳になるが、京都を舞台にした映画やドラマで渋い演技を見せている。特に、2005年に公開された映画『二人日和』では、藤村志保演ずる余命いくばくもない老妻の夫で、御所や神社に収める装束職人の役を淡々と演じ、久々に日本映画らしい作品を観たと思ったものだ。

 左右田一平は、惜しくも昨年81歳で亡くなった。用心棒シリーズ以降も時代劇で飄々とした武士の役を務めたり、また現代劇ではサスペンス劇場などでの渋い刑事役が印象に残っている。

 島田順司は、74歳で健在だ。用心棒シリーズ以降では、『はぐれ刑事純情派』で、藤田まこと演ずる音川刑事の上司役をずっと務め、時代劇でも必殺シリーズや『剣客商売』などで藤田まことと共演している。

 今月から、『科捜研の女』の第12シリーズが始まった。京都を舞台にしたドラマが、現代劇にシフトしてから久しくなってしまった。

by Abend5522 | 2013-01-28 01:01 | 京都
2013年 01月 27日

リストの真意は?


 リストのハンガリー狂詩曲第1番。スワロフスキー/ウィーン国立歌劇場Oによるコンサートホール盤SM 2189。"full STEREO"を疑わせる余地のない録音といえる。民族色を強調せず、淡々とした演奏に好感が持てる。

 ピアノ原曲では第14番になるが、リストはドップラーと共同で編曲したこの管弦楽版以外に、ピアノとオケのための『ハンガリー幻想曲』も14番を元にして作っている。彼には、14番に特別な思い入れがあったのだろうか。

 原曲の14番にもあったのかどうかは知らないが、この1番には「モハーチの平原」というタイトルがついていたらしい。モハーチの平原は、1526年にハンガリー王国がオスマン=トルコ帝国と戦った場所だが、この戦闘でハンガリーは惨敗し、中心部をトルコに制圧されたのみならず、王国は三分割されてしまう。そのひとつが、後にオーストリア=ハンガリー帝国としてハプスブルク朝の支配下に置かれるハンガリー王国である。

 リストはこの形だけのハンガリー王国の地域で生まれたが、ハンガリー語は話せなかったといわれる。しかし、そのゆえにか、彼の心には常にハンガリーという「祖国」があったようだ。これは、彼の生まれたオーストリア統治下のハンガリーことではなく、生まれる300年近くも前になくなってしまったハンガリー王国のことだろう。

 ハンガリー狂詩曲は、チャルダッシュを構成するラッサンとフリスカによって作られているが、第1番にはその間にインテルメッツォが置かれている。管弦楽版ではいっそうよくわかるが、曲にはリストの心の祖国が惨敗したモハーチの戦いのイメージは感じられず、逆にハンガリー王国が勝利したかのような勇壮さが聴取出来る。これを心の祖国の理想化と聴くか、「国破れて山河在り」の逆説的表現と取るかは、あの世でリストに問うしかあるまい。


by Abend5522 | 2013-01-27 17:57 | クラシック音楽
2013年 01月 27日

チンチン電車のこと


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 一条七本松には、チンチン電車と七本松の由来を示すモニュメントがある。京都駅から北野天満宮の間を走っていた北野腺には、幼い時に乗ったと記憶している。今は、梅小路公園内の短いコースで乗ることが出来る。

 チンチン電車の速度は自転車並みだったが、それでも人身事故が多かったために、開業後しばらくは雇われた少年が「電車が来まっせ、危のおっせ!」と先ぶれをやったという。しかし、今度は先ぶれの少年が電車に跳ねられるという事故が起こり、そこで車輌の前下に救助網が付けられた。この救助網は、後の市電車輌にも受け継がれていた。

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 モニュメントから一条通を少し西へ行くと、京都こども文化会館(エンゼルハウス)がある。収容規模が600人と100人の、二つのホールがあり、私も仕事で何度も行ったことがある。ここに、チンチン電車の北野車庫があって、廃止後は長い間車輌が陳列されていた。
 エンゼルハウスの時計台は、毎正時に時計の下の扉が開き、音楽とともに人形が動く仕掛けになっている。写真を撮るのが5分早ければ、それを撮ることが出来たのだが。

 チンチン電車は、民営の京電(京都電気鉄道)から京都市の公営となった。路面電車一般がチンチン電車と呼ばれることもあるが、京都では1978年に廃止された市電や、現在も一部路面区間を走っている嵐電をチンチン電車とはいわない。

by Abend5522 | 2013-01-27 15:35 | 京都
2013年 01月 26日

クリップスの『未完成』


 クリップス/ウィーン音楽祭Oによる『未完成』。コンサートホールの10インチ盤。
 初めて聴いた『未完成』が、この演奏だった。この盤ではなく、「マスターワークス・コンサート」というコンサートホールのサンプラー盤で、ノイマン社のSX-68カッター・ヘッドが使われていると記載されていたらしいが、この10インチ盤にはそのような記載はない。目を引くのは、外山雄三が楽曲解説を書いていることだ。

 "full STEREO"とあるが、番号はM 208だ。スワロフスキーのハンガリー舞曲の項にも書いたように、コンサートホール盤はモノラルをM、ステレオをSMとしているようだから、そのとおりならこの盤は擬似ステレオではないかという疑念が湧いて来る。木管を前面に出した録音だが、その時になると弦に広がりが乏しくなり、トゥッティになると広がる。第2楽章にそれが顕著で、同楽章の冒頭はモノラルのように始まり、急に位相がステレオのようになる。

 クリップスの指揮は起伏が強く、柔らかい木管と硬い弦とのコントラストが明確だ。VPOとの盤とスタンスは変わらない。ウィーン音楽祭Oは、その名のとおり音楽祭で臨時組織されるオケだから、VPOのメンバーも加わっているはずだ。


by Abend5522 | 2013-01-26 23:32 | クラシック音楽
2013年 01月 26日

吉松隆 / ファゴット協奏曲『一角獣回路』


 1973年から1998年まで、京都市は毎年邦人作曲家に新作の委嘱をしていた。作品は、京響の第九演奏会で初演され、レコードやCDで発売されている。

 吉松隆のファゴット協奏曲『一角獣回路』は、1988年に委嘱された作品だ。馬込勇(Fg)、小泉和裕/京響による演奏。

 祇園祭の長刀鉾に描かれていた一角獣に触発され、ファゴット奏者を馬、ファゴットを角に見立てて作曲したという。各楽章にはタイトルと吉松自身のコメントがある。

 第1楽章 "Autumn Input"。「錯綜し混淆した様式を持つ擬似ソナタ形式のアレグロ」。
 第2楽章 "Winter Bias"。「冬の大気にゆっくり広がってゆく夢の形をしたラルゴ」。
 第3楽章 "Spring Output"。「ひたすら春の空を疾駆する一角獣たちのプレスト」。

 Input⇒Bias⇒Outputという流れが、慶応義塾の工学部を中退した彼らしいというところか。松村禎三に作曲を学んだが、音大や芸大とは無縁の在野の作曲家だ。十二音を嫌い、ロック・バンドでの演奏経験もあるという変り種で、作品には天体や鳥類をモティーフにしたものが多い。

 何よりも、1980年代にファゴット協奏曲を作ったという点でユニークな作曲家といえるだろう。佛具のキンも登場し、日本の土俗的なメロディーもあちこちに聴くことができる。ファゴットのソロは、おどけたような冒頭から始まって、尺八のような雰囲気で曲を進めて行く。

 余談ながら、八坂神社の狛犬の吽形は一角獣であり、謎を秘めているようだ。

 

by Abend5522 | 2013-01-26 02:03 | クラシック音楽
2013年 01月 24日

人間臨終図巻

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 山田風太郎の『人間臨終図巻』。15歳で刑死した八百屋お七から百代で亡くなった泉重千代さんまで、有名人の生きざまが没年齢ごとに書かれている。もう何遍も読み返した、私の愛読書である。

 山田風太郎の文章は読みやすく、ウィットに富んでいる。幾つか引用してみよう。

  この人物の「臨終」については、「異教徒」にとってまことに書くことが難しい。(キリストの項)
  
  彼は、精神及び肉体の力を急激に破壊され、毎日やっていることは、友人ブラームスから贈られた地図から、国や都市の名を拾い出して、アルファベット順にならべることくらいだった。(この『臨終図巻』の著者の作業もそれに似たところがないでもない)  (シューマンの項)

  人間、コナばかり食っていても、入歯の必要が生じると見える。(福永武彦の項)

  「若い人」も老いてゆく。(石坂洋次郎の項)

 山田風太郎は、2001年に79歳で亡くなった。この『図巻 Ⅲ』の「七十九歳で死んだ人々」に、彼の項を加えてあげる人はいないのだろうか。



  

  

by Abend5522 | 2013-01-24 21:15 |
2013年 01月 22日

濃い1分


 太田忠が1935年に作った、1分足らずのピアノ曲『交通標識』。かのチェレプニンのピアノによる1936年の録音である。

 太田は、商業学校に在学しつつピアノと作曲を学び、新響などのピアノ奏者を務めたらしい。この作品がチェレプニンに認められ、伊福部昭や松平頼則らとともに、1930年代の所謂チェレプニン楽派の一員となったということである。

 プロコフィエフ風の、実験的なスケッチという感じの曲だ。太田は東京人なので、『交通標識』という、車社会の到来を象徴するような曲名は、「大東京」といわれた35区時代の東京の繁栄と混迷を表しているように思える。この録音がなされた1936年は、幻と消えることになる1940年のオリンピック開催地が東京に決定する一方で、2.26事件が起こった年でもある。

 太田の他の作品は全く知らないが、この曲の1分間には意味深なものがあると聴いた。


by Abend5522 | 2013-01-22 23:48 | クラシック音楽
2013年 01月 22日

「ラクリモーサ」まで


 モツ・レクは「ラクリモーサ」までしか聴かない。ジュスマイヤー等の補筆とは関係なく、そこでの完結性があまりに強いからである。モーツァルトは当然全ての文に曲をつけるつもりだっただろうが、いったん流布された作品は享受者の自由を妨げることはない。むしろ、偉大な作品ほどその裾野は広いはずだ。

 ゲンネンヴァイン盤。ツィリス=ガラ(S)/ドミンゲス(A)/シュライアー(T)/クラス(Bs)と南ドイツ・マドリガルcho、コンソールティウム・ムジクムによる演奏。

 ヴォルフガング・ゲンネンヴァインは、モーツァルトやバッハの録音で知られる宗教音楽指揮者だが、『魔笛』などの歌劇もDVDで発売されている。しかし、地味な存在ゆえに日本での知名度は低い。この演奏も、モツ・レクにドラマティックなものを求める向きには合わないだろう。オケはバックに徹し、独唱陣も極めて抑制した歌いぶりである。合唱は小編成で、各パートが細部まで聴こえる。

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 ゲンネンヴァインは、健在ならば今年で80歳になる。ジャケ裏にあるこの写真が、録音当時の1966年頃のものだとすれば、33歳頃の若き日の彼だ。端正な顔立ちで、見るからに謹厳実直な人柄という感じである。


by Abend5522 | 2013-01-22 20:35 | クラシック音楽
2013年 01月 20日

常体と敬体および憤懣


 暫くの間、ブログを敬体で書いて来た。しかし、私にはやはり常体で書く方がいいようなので、そうすることにした。ご容赦を願う次第である。

 さて、タイトルに記した「憤懣」とは、YouTubeのブロックに対するそれである。
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 カンポーリ&プリッチャード/ロイヤルPOによるべトコンに対する警告画面。ドイツと日本でブロックされているらしいが、これは仕方がない。なぜドイツと日本でなのかは謎だが。

 憤懣を覚えたのは、「第三者が所有する音楽が含まれている可能性」の「詳細」部分だ。
 まずは、ロイヤルPOによるべトコン第1楽章を管理しているというIODAなる団体につき、次の三点が疑問である。
  1 ロイヤルPOは、カンポーリ&プリッチャードとしかべトコンを録音していないのか?
  2 この演奏での第1楽章だけを管理しているとはどういうことなのか?
  3 IODAなる団体に関して、少なくとも日本語による情報が見当たらない。

 次に、第3楽章だけを管理しているという天下のEMIだが、演奏者がパールマン&ジュリーニになっているではないか。カンポーリとパールマン、プリッチャードとジュリーニという、全く似ていないヴァイオリニストと指揮者が混同されるとは、自動認識装置(と思われるもの)の精度はどうなっているのか。
 EMIのレコード部門は、既にフランスに本社を置くユニヴァーサル・ミュージックによって買収されたはずである。しかし、フランスではブロックされていない。ならば、ユニヴァーサルの各国法人のうち、ドイツと日本のそれがブロックしているということになる。全くもって、わけがわからない。

 W.R.Cのレコードでは、先に『未完成』のサージェント/ロイヤルPO盤をアップしたが、これには何の警告も受けていない。憤懣だらけの摩訶不思議である。

by Abend5522 | 2013-01-20 18:17 | 日々の事
2013年 01月 20日

甘くない美しさ


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 W.R.Cの日本盤が8枚セットになっているものです。先に『未完成』のサージェント盤をアップしましたが、今回はカンポーリのVn、プリッチャード/ロイヤルPOによるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をご一聴に供させていただきます。

 アルフレード・カンポーリはイタリア人ですが、少年期に英国へ移住しました。来日したこともあり、1702年製のストラディヴァリから醸し出される美音に魅了されてしまいます。また、かなり自由な表現をしているにも拘わらず、甘ったるくなることがありません。豊穣な響きですっきりと弾くことが出来る、天性のようなものを感じます。

 指揮のジョン・プリッチャードは、先に『フィガロの結婚』序曲がブロックされてしまいましたが、ここでのバックにも、叩き上げの歌劇指揮者たる彼の面目躍如たるものがあると思います。出しゃばることなく、しかしピシッと決める指揮ぶりは、協奏曲の指揮者としてひとつの理想形といえるでしょう。ロイヤルPOの地味な音も、ここではよく統率されてiいて好感が持てます。


追記:またブロックされてしまいました。残念至極です。

by Abend5522 | 2013-01-20 01:05 | クラシック音楽