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Abendの憂我な部屋

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2012年 02月 29日

♬ レーデルに聴く ♪

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 既に報ぜられているように、モーリス・アンドレが25日に亡くなった。彼がトランペットを吹いているJ.S.バッハの管弦楽組曲第3番を、リステンパルト/ザール室内Oとマゼール/ベルリン放送SOで聴いた。そして今日、漸く入手出来たレーデル盤が届いた。 トランペットが活躍する第3番、第4番、そして今では偽作とされている第5番が収録されているCD2から聴いた。

 アンドレのピッコロ・トランペットが華やぐ。オケも共に華やぐリステンパルト盤や、音の重いオケとのコントラストが鮮やかなマゼール盤とは違い、レーデル盤ではミュンヘン・プロ・アルテの一員であるが如く溶け込んでいる。1962年の録音なので、アンドレはまだ29という若さだ。レーデルとの共演で数々の名演を遺した、ヴァイオリンのバルヒェットが亡くなった年でもある。

 アンドレが吹いたトランペット協奏曲は、CDもレコードも持ってはいない。ポピュラー音楽での彼のトランペットも聴いたことがない。何故かは、自分でもわからない。ただ、私にとってのモーリス・アンドレは、中学時代からエラートのレコードで聴いて来た、合奏団と「協演」するトランペット吹きであった。
 

by Abend5522 | 2012-02-29 22:50 | クラシック音楽
2012年 02月 28日

シヴァ神の運命

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 学部2回生の時、佛教学概論の授業に教授がシヴァ像を持って来た。
 教卓の真前に座っていた私は、瞬時に引き込まれた。心に音楽が響いたからだ。リズミックで力強い太鼓連打が、それだった。その時の像は大きかったが、画像のものは高さ10cm弱の像である。それでも、太鼓連打が今も心に響く。

 シヴァは風雷神ルドラを起源とする神で、ブラフマが創造し、ヴィシュヌが保持した宇宙を破壊し、新たな生命を育む役割を担う。炎輪の中で踊る力で全てをゼロに戻すが故に畏怖され、マハーカーラ(大暗黒)とも称される。すなわち、これ大暗黒天(大黒様)として佛教に取り入れられるのである。

 漢訳経典では、大自在天と呼ばれている。佛に従わせるのは大変だったようで、大日如来の命を承った降三世明王によって漸く調伏された。降三世明王像は二体を踏みつけた姿で造られているが、この二体がシヴァとその妻ウマーである。シヴァはそれでも佛に従わずに死んでしまい、冥界で佛の説法を受けて蘇生し、天部の一員たる大自在天として佛の守護者になったとされる。

 佛教がバラモン教の神々を取り込んで行く過程は面白いが、極めて複雑でもある。

 

 
 

by Abend5522 | 2012-02-28 23:07 | 佛教
2012年 02月 27日

♬ 魔の炎のストコ ♪

 
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 ストコフスキーの14CD BOXから、ロイヤルPOとの『ワルキューレ』から「魔の炎の音楽」である。
 
 綺麗な演奏だ。ヴォータンの告別からこの曲に至る『ワルキューレ』の幕切れは、舞台にせよ管弦楽曲版にせよ、綺麗であることが肝要だと思っている。愛する娘を手放す悲哀と、自分以上の男と幸せになって欲しいという願いの二律背反は、娘を持つ父の宿命だろう。

 ジークフリートの出現を予兆しつつ、ローゲは綺麗にブリュンヒルデを包み込む。ストコはこういう表現が実に巧い。ロイヤルPOもよく応えていて、咆哮することなく美麗に流れる。

 ストコは、ダイアモンド1000シリーズでショスタコの5番を聴いたのが最初だが、シベリウスの4番やヴィヴァルディの『四季』、シェーンベルクの『浄夜』もいい演奏である。このBOX、『魔の炎の音楽』以外では『ワルキューレの騎行』、べト3、ブラ4を聴いただけなので、しばらくは毎夜のプログラムのひとつとなりそうである。

by Abend5522 | 2012-02-27 01:07 | クラシック音楽
2012年 02月 26日

聞く

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 学生時代には、鳩居堂の練香をよく使った。小さい炭団の上に乗せて焚く。部屋中が、濃厚に香る。
 今は、線香である。東寺で売っている風信香が好きなのだが、九条の方へは滅多に行かないので、このところ縁がない。
 香炉は五つあるが、画像にあるのは清水焼で、何気なく入った東山の店で買ったものだ。愛嬌があっていい。立ち昇っているのは、烏丸仏光寺の香彩堂製の蓮香で、十種の生薬がブレンドされたもの。京極の井和井で買った。もう残り少ないので、次の香を考えておかねば。
 蓮香の木箱は小さいので、普段はインド物産店で買った箱に入れてある。

 香を聞き、音楽を聴く。似ていることなのかも知れない。

by Abend5522 | 2012-02-26 21:58 | 日々の事
2012年 02月 24日

散華楽

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 奉請十方如来入道場散華楽
 奉請釋迦如来入道場散華楽
 奉請彌陀如来入道場散華楽
 奉請観音勢至諸大菩薩入道場散華楽

 「四奉請」といって、法会で諸佛諸菩薩を招くために唱える。浄土真宗などでは、彌陀如来・釋迦如来・十方如来の順で、「三奉請」となる。

 「四奉請」を唱えながら、浄めのために華を撒くのが「散華楽」である。現在では、画像にあるような葩(は。色紙のこと)を撒くのが普通で、蓮弁の形になっている。絵は様々だが、画像の下二枚には、笙や大太鼓といった雅楽器が描かれているのが面白い。大寺の落慶法要などでは派手に撒かれるので、散華コレクターもいるようだ。

 数珠は、もう20年以上使っている。白檀の数珠玉に紫の梵天房で、真言宗の男性用のものである。清水さんへの参道にある念珠店で買ったものだ。流石は白檀で、今も仄かに匂う。

 小さい頃、お地蔵さん(地蔵盆)では子供だけで数珠回しをした。大数珠を皆で回す行事である。子供の数が減少した今では、私の住む町内でも数珠回しはもう行われていない。

 久遠の昔、インドに二人の慈悲深い王がいた。一人は、成佛して衆生を救おうと修行し、悟りを得て一切智成就如来となった。もう一人は、成佛出来るだけの素質を持ちながら、自らの意志で冥界へと向かい、苦悩に彷徨する魂の保護を業とした。これが、クシティ・ガルバ(地蔵菩薩)である。特に、親より先に死んでしまった子供の、冥界での保護者として人々の尊崇を集め、現在に至っている。

by Abend5522 | 2012-02-24 00:06 | 佛教
2012年 02月 23日

M あいつはワールドボーイ M

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 ナショナルのラジオ"GX World boy"である。中学の時、今は無い下鴨のプリンスホテルでナショナル製品の展示会があり、それまで小型のゲルマニウムラジオしか持っていなかった私を、この3バンドラジオが魅了した。
 朝は、「皆様、ご機嫌いかがでいらっしゃいますか。バロック音楽の楽しみ。解説は、私、皆川達夫、であります」。土曜から日付が替わった深夜は、「こんばんは。蘭あき子でございます」の「オールナイトクラシック」。侘しい日曜の夜は、オーマンディ/フィラデルフィアOによるボロディンのノクターンがオープニング曲の「夜のしらべ」。日を跨いで、「大阪芸術大学提供 ミッドナイト・クラシックス」。スリープタイマーが付いているおかげで、音楽に抱かれながら眠りについたこともしばしばであった。
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 同じく、ナショナルのBCLラジオ"COUGAR 2200"である。マニアからは文句をいわれそうだが、6バンドある短波を聴いたことは余り無い。FMを聴くことが圧倒的に多い。
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 タイトルの「あいつはワールドボーイ」は、この寺内タケシとバニーズのアルバムに収録されている「ワールドボーイ」の歌詞の一節である。"GX World boy"のTVCMで使われていた。

 高校に入って初めてコンポを組み、トリオのレシーバKR-4200とティアックのカセットデッキA-350で録音に精を出すようになると、ラジオは枕元の友となって行った。

by Abend5522 | 2012-02-23 00:40 | オーディオ・映像・機材
2012年 02月 21日

b 子供心と図鑑の絵 b

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 『地球の図鑑』は、小学館の学習図鑑シリーズの一冊である。昭和39年発行で、定価380円。
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 この頁に、怪獣大好きの小学生だった私は、いつも感動した。恐竜の名称に使われる「~ザウルス」が「~ゾールス」になっているのも、時代を感じさせる。ステゴゾールス(剣竜)が一番好きだ。
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 無感(震度0)~激震(震度7)の地震規模図もよく読んだページである。「激震が走った」という慣用句は今も使われるが、激震の図にある解説を見ると、参照にされているのが関東地震(1923)と南海地震(1946)だ。関東地震は関東大震災のことだが、こういう呼称もあったのか。
 
 東京オリンピックが開催され、東海道新幹線が営業を開始したのが昭和39年。東宝が『モスラ対ゴジラ』と『三大怪獣 地球最大の決戦』を公開し、怪獣映画にひとつの区切れ目が出来たのもこの年である。高度経済成長期の真只中の日本。この31年後に阪神・淡路大震災、47年後に東日本大震災が起こるのである。そして、この前年に、日本初の原発が東海村に建設されたのであった。

by Abend5522 | 2012-02-21 19:10 |
2012年 02月 20日

♬ アランフェスふたつ ♪

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 上が、トゥリビオ・サントス&ローラン・ドゥアット/パリ・コレギウム・ムジクム盤(ACCORD 476 9149)。
 下は、ジークフリート・ベーレント&ラインハルト・ペータース/BPO盤(PRIVILEGE 427 214-2)。

 ブラジル人のサントスのギターは、さぞ情熱的と思いきや、さにはあらず。極めて繊細な弾きぶりで、テクニックを強調しない。この人は、パリ国際ギターコンクールで優勝以来、パリを拠点に活動している。バロック音楽に洗練された演奏を聴かせるドゥアット/パリ・コレギウム・ムジクムと組んで、端麗なアランフェスを奏でてくれる。「上善如水」の語が当てはまる演奏である。

 50代で亡くなったベルリン男のベーレントは、聴かせ処にそのテクニシャンぶりを発揮している。ラスゲアードなど、フラメンコ・ギターの如く華麗に響く。ペータース/BPOのバックは、ベーレントにぴったり寄り添い、情熱的な演奏を行っている。凡そ、サントスとは対極にあるベーレントのギターである。

 ギターが特に好きではない愛好家も、クラシックを聴き始めた頃にアランフェス協奏曲に接した人は多いだろう。しかし、それ以降に様々な演奏でこの曲を聴かなくなってしまうのは惜しいと思う。 

 

by Abend5522 | 2012-02-20 20:55 | クラシック音楽
2012年 02月 19日

♬ サインはV ♪


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 古びたサイン帳より、1976.10.25のスメタナSQ京都公演のものである。

 左頁にあるスメタナSQのものは、五線に各パートのサインがあるのがユニークでいい。SQのサインはこういう風にするのか、それともスメタナSQ独自の仕方なのかは知らないが、たまにこれを見ると顔がほころんでしまう。

 右頁上のものは、共演したピアノのヤン・パネンカのものである。私が持って行ったサイン・ペンを使わず、自分のボールペンでサインしてくれた。神経質そうな字体が、あの繊細な演奏を窺わしめる。スメターチェク/プラハSOと組んだベートーヴェンの3番、5番の協奏曲は、私の愛聴盤である。
 パネンカの下にあるのは、コントラバスの江口朝彦のもので、シューベルトの『ます』がプログラムにあったので、公演に加わった。東京芸大からプラハ音楽アカデミーに学んだ人なので、他の奏者たちとの一体感が強かった。既に故人であるが。

 他にも何人かのサインを残してあるが、プログラムに貰ったものもある。しかし、プログラムを入れてある箱がウォークイン・クローゼットに積み上げられた物の下にあるので、容易に取り出せそうにない。

by Abend5522 | 2012-02-19 01:47 | クラシック音楽
2012年 02月 18日

♬ 生誕百年の ♪

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 フェリックス・プロハスカである。今年の5月16日に生誕百年となる。VANGUARD音源の廉価レコードを聴いたことがある方にとっては、懐かしの指揮者であろう。

 画像の2枚には、J.S.バッハのカンタータの有名なナンバーが4曲収録されている。BWV140&4の盤はステレオ、BWV78&106のそれはモノラル録音である。オケとコーラスはともに小編成で、ウィーンの名手であるアントン・ハイラーが、通奏低音、オルガンを担当している。独唱は、モノラル盤の方にシュティッヒ=ランダル(S)、デルモータ(T)といった有名どころの名がある。

 プロハスカには、モーツァルト、シューベルト、ベートーヴェン、マーラーの録音もあるようだが、どれも未聴である。特に、べト5は是非聴いてみたい。上記のカンタータでもそうだが、プロハスカは機に応じて硬軟自在にオケを統率している。これは、ブランデンブルク協奏曲第5番のCDを聴いても思うところで、こういう指揮者によるべト5には興味津津なるものがある。

 2012年は、私にとって幾つかの節目の年である。先づ、今月に入って父の満25年の忌日を悼んだ。音楽では、何よりもフランツ・コンヴィチュニーの没後50年を迎える。佛教では、華厳思想の大成者たる賢首大師法蔵の1300年忌、親鸞の満750年忌に当たる。プロハスカの生誕百年もまた、節目のひとつである。

by Abend5522 | 2012-02-18 21:26 | クラシック音楽