2013年 01月 07日
戦闘シーン。一人の勇将が致命傷を受ける。カッと見開いた末期の眼が、迫り来る騎馬の乙女をとらえる。 勇将は、仁王立ちのまま眼に映る乙女に向かって両腕を大きく開き、力一杯に叫ぶ。この時、叫び声を付けてはならない。 騎馬の乙女が勇将に向けて槍を一振りすると、命尽きた彼の体は宙に舞い、乙女の馬に乗せられる。乙女は槍を高く掲げ、喜悦の表情で天空に向かって馬を飛ばせる。 これは、ヴァルキューレの騎行シーンがアニメになったらと、私が以前から夢想しているものです。長い年月と多くの費用がかかり、商業的に成功するかどうか覚束ないのですが、世界に冠たる日本のアニメ技術を駆使して『指環』を歌劇どおりにアニメ化して欲しいと願っています。 『指環』のマンガは3種類持っています。里中満智子とあずみ椋のものは上下二巻です。里中のマンガは、持統天皇を描いた『天上の虹』も読んだことがあります。全8巻から成るマンガ名作オペラシリーズのひとつです。 あずみは他に北欧神話のサーガなどもマンガにしているおり、その方面には精通している漫画家のようです。 宮本えりかのものは四巻物で、歌劇にはないキャラクターも登場しますが、一番詳細に描かれていると思います。 まだ観たことがないのですが、フリッツ・ラング監督が1924年にサイレント映画『ニーベルンゲン』を作っています。前編が「ジークフリート」、後編が「クリームヒルトの復讐」で、5時間もの大作だそうです。 2004年の映画『ニーベルングの指環』は、レンタルDVDで観ました。ラングの作品もこの映画も、ワーグナーの歌劇ではなく、『ニーベルンゲンの歌』を素材としたものですが、この映画はいい作品です。王位継承の争いから逃れて育った王子ジークフリートと、アイスランドの女王ブリュンヒルデが織り成すスペクタクル・ロマンで、お勧めの一本です。
by Abend5522
| 2013-01-07 23:50
| 本
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