Abendの憂我な部屋

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2012年 12月 08日

メロドラマの主題歌


 ここにいうメロドラマとは、平日の13時~14時の時間帯に、15分あるいは30分枠で放送されていたものを指す。古くは「よろめきドラマ」と言われ、バブル期には夜の1時間枠となって「トレンディ・ドラマ」と称された。なお、「よろめき」という言葉は、三島由紀夫の『美徳のよろめき』に因するということだが、定かではない。

 
 『蒸発』の主題歌。1968.08.05~09.27の平日13:30-45にTBSで放送。大映テレビ映画。歌、演奏は、ハワイアン・バンドである久保内成幸とロマネスクセブンに大映レコーディング・オーケストラ。
 誤りがあるかも知れないが、今も憶えているのは、東京駅構内の雑踏シーンに被せた「あなたの夫、あるいはあなたの恋人が、ある日突然いなくなったら、あなたはどうしますか?」というopナレーションである。当時、突然失踪する「蒸発」が流行語となっていた。このドラマも、佐藤慶演ずる夫が蒸発し、坪内ミキ子演ずる妻が苦難に遭遇しながら彼を探す旅に出るというストーリーであった。
 GS全盛時代らしい曲だが、当然ながら歌詞は暗い。


 『氷点』の主題歌「北国の陽子」。1971.01.04~03.12に、TBSの花王愛の劇場で放送。歌、演奏はザ・ブルーベル・シンガーズに、ジャケ記載はないが、おそらくポリドール・レコーディング・オーケストラ。
 何度も映画化、TVドラマ化された三浦綾子の『氷点』が原作。近年になってからCSでの放送で観た。主演は西山恵子、小山明子、安井昌二が共演。
 ザ・ブルーベル・シンガーズは、『昭和ブルース』などのように、GSというよりはムード歌謡グループに近い。歌は上手い。カウンター・テナーというか、ファルセット・ボイスには気持ち悪さがあるが。


 『偽れる妻』の主題歌。1971.11.08~12.31の平日13:00-30に、CXのライオン奥様劇場で放送。歌はムード歌謡グループである松平直樹とブルーロマン。伴奏は東芝レコーディング・オーケストラ。
 中尾彬、藤田弓子が主演のドラマだが、観たことはない。
 曲は、メロドラマらしからぬ明るいマーチ調で始まり、スロー・テンポの部分と交代しつつ進む。GSブームが終わった後の作品なので、作りはムード歌謡そのものである。


 『ガラスの階段』の主題歌。1972.03.06~04.24の毎週月曜日13:00-30に、CXのライオン奥様劇場でで放送。歌は秋美子。伴奏はポリドール・オーケストラ。
 松木路子演ずる薄幸の娘が、セーラー服姿で髪を風に吹かれながらガラスの階段を昇って行くopシーンが印象的であった。
 曲は完全な演歌調で、冒頭に秋美子自身のセリフが入っているのが特徴的である。


 『飢える魂』の主題歌。1972.11.06~12.29の平日13:00-30に、CXのライオン奥様劇場で放送。歌は川路真実。伴奏は東芝レコーディング・オーケストラ。
 丹羽文雄の小説が原作で、これ以前にも映画やTVドラマになっている。磯村みどり演ずる貞淑な妻と安部徹演ずる歳の離れた横暴な夫、そして彼女の心を奪う竜崎勝演ずる男という、典型的な「よろめきドラマ」であった。
 曲は冒頭にホルンが入るスロー・テンポなものだが、歌い出しのメロディーがザ・ピーナッツの『ウナ・セラ・ディ東京』に似ている。また、1960年代後期からよく使われるようになった二重録音が聴ける。川路真実は、低域が出ないのがネックである。


 『我が子よⅡ』の主題歌「青空天使」。1982.07.05~08.27の平日13:00-30に、TBSの花王愛の劇場で放送。歌は八木美代子。伴奏、バックコーラスはジャケに記載なし。
 小林千登勢と高部知子が、逆境にもめげずに頑張る母と娘を演じている。1980年代に入ると、メロドラマは暗さとエロティシズムを失い、一種の根性物になって行く。また、この作品のようにシリーズ化されることも多くなった。
 曲はムード歌謡とニューミュージックの間に位置するような作りになっている。八木美代子は、この時代のアイドルにしては歌が上手いが、その後どうなったのかは不明である。
 

by Abend5522 | 2012-12-08 22:55 | クラシック以外の音楽


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