2012年 06月 16日
初めて行ったコンサートのメインが4番だった。渡邊暁雄/京響の定演。その後、バルビローリ/VPOの甘美な演奏や、ザンデルリンク/ドレスデン国立Oのガッシリしたそれに親しんでいたが、不思議なのはいつも第4楽章だった。ベートーヴェンの3番や9番とともに、なぜ付いているのかが今もしっくり来ない。 第4楽章のパッサカリアは、その主題がJ.S.バッハのカンタータBWV150『主よ、我は御身を仰望す』の終曲に因んでいるという。 BWV150はJ.S.バッハ初期のカンタータだが、終曲を聴いてもどこをブラームスが用いたのかよくわからない。 ただ、J.S.バッハの時代には既に古めかしいものであったパッサカリア形式を、ブラームスがなぜ用いたことの不思議は、4番における定番の話題である。当時の反ブラームス陣営からはアナクロの極みとして批判されたのだろうが、現代日本の一愛好者としてはその不思議を聴くのみである。 コンヴィチュニー/SKBのライヴ盤。これを初めて聴いた時には驚いた。第1楽章第一主題の弦の"泣き”にである。バルビローリ盤は冒頭のバルビ節で人気があるが、それを遥かに凌駕するコンヴィ節だ。彼に被せられたイメージを覆すものといってよい。 冒頭からしばらくは、弦が揃わないことしばしばだ。1960年の比較的聴きやすい録音が、却ってそれを際立たせてしまう。だが、これは「失敗」なのか。そうは思わない。オケは何か戸惑いつつ始めたのかも知れないが、それが堂々たる演奏へと発展し、万雷の拍手が聴衆にもたらした感動を物語っている。"泣き"のコンヴィ節あればこそのそれだったのではないか。コンヴィチュニー好きの我田引水と思われても構わない。第1楽章第一主題のメロディーを喜怒哀楽に当てれば、「哀」しか考えられないのだから。 他方は、またぞろリンデンベルク/北西ドイツPOにご登場願おう。YouTubeにアップされているものは音量が小さく、低音がダブついていて聴きやすいとはいえないが、お聴きいただいて「Abendはなぜこんな演奏が好きなのか」へのご意見をいただければ幸いである。なお、これをアップされた方はかなり年季の入った愛好家らしく、実に多くの演奏を挙げておられる。リンデンベルクの演奏を挙げておられるだけでも、コアな方と推察する。3番の終楽章もアップしておられるので、これも付けておきたい。 ブラームスにおいても、sawyer様、HABABI様のブログから大いに学ばせていただいた。善き先達との出会いに、改めて感謝申し上げる次第である。そこで次のお題であるが、モーツァルトの後期三大交響曲をご両兄に提案させていただきたい。ご首肯いただければ幸いである。
by Abend5522
| 2012-06-16 17:16
| クラシック音楽
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