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Abendの憂我な部屋

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2012年 05月 15日

40年

 沖縄の返還明日に迫りけり
           日本の前途に幸あらんを願う

 1972年5月14日(日)の日記に、中学生だった私はこのような短歌まがいを書いている。あれから40年。

 沖縄はおろか、九州へも行ったことのない私だが、沖縄の音楽には心惹かれるものがある。

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 これは唄と三線による沖縄民謡集で、16曲が収録されている。1991年発売の一枚。

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 こちらは、二胡、ベース、パーカッション、シンセのコラボによるもので、14曲が収録されている。2003年発売の一枚。

 唄の有無はともかくとして、撥弦楽器である三線と擦弦楽器である二胡との違いが面白い。日本では撥弦楽器が発達したのだが、琵琶、三線、三味線などは語り物や歌舞の伴奏に使われるのが主で、琴や筝のように早くから独奏楽器となったものとは異なっている。ウクレレやマンドリンが日本でよく受け入れられたのも、琵琶、三線、三味線などの伝統があったからかも知れない。

 管楽器は、横笛の方が一般化した。篳篥などの縦笛や、笙のような和音楽器は、雅楽の世界で継承されているが、一般化してはいない。尺八は縦笛ではないかという意見が当然出るだろうが、若き日のエッシェンバッハがピアニストとして来日した際、尺八の演奏を聴いて「これは打楽器のようだ」と言い、奏者がその炯眼に恐れ入ったというエピソードが、野口幸助の『そなた こなた へんろちょう』に書かれている。

 外は雨。葵祭は明日に順延された。小・中学校時代は下鴨に住んでいたので、葵祭の日は学校が半ドンになった。今はもうそういうことはあるまい。歳月の流れをひしひしと感じる。

by Abend5522 | 2012-05-15 18:29 | クラシック以外の音楽


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