Abendの憂我な部屋

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2012年 04月 24日

北への哀愁・慟哭・情念

 「北」を歌った曲には、哀愁が漂う。北方志向の私には、それがより強く感じられる。



 さとう宗幸といえば『青葉城恋唄』が最も有名だが、私はこの『北の旅』が一番好きだ。恋が絡んだ北への哀愁が、歌い易いメロディーで表現されている。



 こちらは、TVドラマ『寺内貫太郎一家』の挿入歌にもなった、徳久広司の『北へ帰ろう』。演歌調というよりは、古賀メロディーに近い。マンドリンを使った伴奏にもそれが感じられる。この曲も恋絡みだが、哀愁ではなく傷心による故郷回帰が、慟哭するように歌われている。



 そして、天下の名曲『津軽海峡冬景色』である。舌足らずの声でアイドル歌謡を歌っていた石川さゆりが見事に脱皮を遂げた金字塔というべきか。この曲には、故郷回帰は二の次で、雪の青森駅から青函連絡船の中で見た人々の姿を描くことによって、女の情念というものがひしひしと伝わって来る。哀愁でも慟哭でもなく、海鳴りだけが聞こえて来る中で燃え立つ情念である。この情念は『天城越え』で頂点に達するが、その後の石川さゆりは、もうこのような歌唱をしなくなってしまう。
 『津軽海峡冬景色』は、最近ではアンジェラ・アキがアレンジして歌っているが、そこには情念が感じられない。スマート過ぎるのだ。なお、変わったものとして北朝鮮の歌手が日本語で歌ったものがあり、こちらの方が原曲の陰影をよく表現している。





by Abend5522 | 2012-04-24 01:21 | クラシック以外の音楽


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