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Abendの憂我な部屋

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2012年 04月 16日

☆ 私の愛聴盤 ベートーヴェン / 交響曲第3番『英雄』

 愛聴盤といえば、コンヴィチュニー/LGO盤になる。SKD盤は、ヘッドホンユーザーの私にはネックとなる。良質なモノラル録音ではあるが、残響が多く、低弦やティンパ二ーのダブつきは如何とも仕難い。

 「私の愛聴盤」でありながら何だが、ここではコンヴィチュニーではなく、エイドリアン・ボールトに登場して貰おう。LPでは「ダイアモンド1000シリーズ」に凱旋門のジャケで入っていた、今は無きヴァンガード盤である。
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 音質は良くないが、YouTubeに各楽章が部分的にUPされていたので、お聴きいただければと思う。

 オケはLP時代からロンドンPOとなっていたが、CDではロンドンフィルハーモニック・プロムナードOとなっている。ロンドンPOの、レコード会社との契約上の名称らしい。

 第1楽章と終楽章が遅め、第2楽章と第3楽章が早めのテンポ。弦と金管のアクセントが強く、特に第1楽章と第2楽章にそれが顕著だ。ステレオ初期、1956年の録音だから、ピストン式のトランペットが直線的に鳴る。響きが主のロータリー式よりも、『英雄』にはこの方が相応しい。

 93歳の長寿を得たボールトは、録音時既に67歳。英国人とはいっても、LGOでニキシュが活躍していた時代のライプツィヒ音楽院出身である。コンヴィチュニーより一回り年長なので、両者はライプツィヒ音楽院で一緒だったことはない。コンヴィチュニーがまだブルノにいた時代に、ボールトは英国に戻って指揮者となったからだ。

 ボールトといえば、トマス・ビーチャムとのコントラストだろう。ロンドンPOはビーチャムが創設したオケだが、第二次世界大戦中はアメリカなどで活躍していたために、戦後はロンドンPOに戻れず、ボールトが首席指揮者となった。そのために、ビーチャムは新たに自分のオケとしてロイヤルPOを結成した。また、ビーチャムは自分が首席指揮者になれると確信していたBBC響も、その地位はボールトが得ることになった。

 ボールトもビーチャムも英国の作曲家の作品を積極的に取り上げたが、ディーリアスに関しては、ビーチャムがその守護者ともいうべき指揮者だったのに対し、ボールトはディーリアスを殆ど取り上げなかったという。ボールトは、若き日から薫陶を受けたエルガーの守護者であったから、作品の傾向が全く違うドイツ系英国人のディーリアスを嫌っていたというよりも、当時の英国で知名度が低かったディーリアスの作品を殆ど取り上げなかったというのが正解だろう。ボールトは、ビーチャムの存命中にロイヤルPOを指揮しているから、両者の間には、フルヴェンとトスカニーニの間に見られたような確執があったとは思えない。

by Abend5522 | 2012-04-16 00:10 | クラシック音楽


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