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Abendの憂我な部屋

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2012年 03月 16日

◆ ブログ連動企画第12弾 ストコフスキーの『王宮の花火の音楽』怪音録

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 感想を書くに際して、以下の盤の所々を聴いてみた。
  ① コレギウム・アウレム
  ② レッパード/イギリス室内O
  ③ マリナー/ASMF
  ④ ターフェルムジーク・バロックO
  ⑤ ラ・ストラヴァガンツァ・ケルン
  ⑥ コッホ/ベルリン放送SO

 愛聴盤はコレギウム・アウレムのものだが、他の5種類はそれぞれに違う。ヘンデルの自筆譜も含め、ペトルッチ楽譜ライブラリーから無料でダウンロードできるが、流石はバロック音楽で、殆ど緩急・強弱勝手次第というスコアの趣である。

 「ピリオド楽器を使った現代的な演奏」が主流の今、ストコフスキーの演奏は、ロマンティック、幅の大きいラレンタンド、コンティヌォ無しといった古めかしい演奏に聴こえるだろう。強烈なストコ節を聴かせた『ハンガリア狂詩曲第2番』の怪演と同じRCAヴィクターSO、しかも録音時期が1年も空いていないことを考えると、ストコフスキーの自在な老獪ぶりに感心させられる。

 序曲やブーレに小太鼓が活躍するのは、録音年代を考慮すれば、ストコ節の一端を示すものといえるだろうが、ラ・ストラヴァガンツァ・ケルンの演奏では「歓喜」で小太鼓を派手に使っているので、今聴いてもストコ節満開とはいえない。弦と木管が緩やかで美しい、モダン・オケでの演奏である。

 ストコフスキー盤が今も一定のマニアに人気があるのは、メヌエットⅡのラストで急に入り込む、極めて不自然な打ち上げ花火と歓声の効果音ゆえだと思う。「それは映り込んでしまった」の恐怖映像みたいなものだ。

 演奏において効果音を使うのは、チャイコフスキーの大序曲『1812年』の大砲や鐘、ヴェルディの『オテロ』第一幕での大砲、風音、雷鳴などは特に珍しくもなく、フルヴェンのバイロイト盤『第九』の「足音入り」や、かのケーゲル盤『幻想』の、やや低目の黄鐘調といった風情の鐘なども、効果音的といえるかも知れない。

 ストコフスキー盤には、効果音無しのCDもあるという。入手困難らしいが、聴いてみたい欲求に駆られる。なぜならば、何度聴いてもあの効果音は後付けされたものとしか思えないからである。そう思う理由は、次の点にある。
  1 音楽が聞き取りにくいほどの入力レベル。
  2 日本の夏祭りでの花火を思わせるような「た~まや~」的雰囲気。
  3 センターの奥から飛び出して来る、高音質で立体感溢れるロケット花火の音。

 1は、ストコフスキーがこのようなことを唐突に演出するような指揮者かという疑問をもたらす。
 2は、作品がオーストリア継承戦争終結の祝典曲であることと不釣合いな印象を持たせる。
 3は、RCAヴィクターの録音技術が優れていたとはいえ、1961年の時点で可能だったか。

 私の無知や勘違いかも知れないが、効果音無しのCDが存在する以上、音楽と効果音が多重録音されていたオリジナル盤から効果音を抜いたというよりも、後で高音質な効果音が付加されたのだと考えたい。無論、初出のレコードは聴いたことがないので、勝手な推量でしかないのだが。

 sawyer様。お次は、ラフマニノフの『ヴォカリーズ』で如何でしょうか。

 

 

 

by Abend5522 | 2012-03-16 00:45 | クラシック音楽


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