Abendの憂我な部屋

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2012年 03月 13日

◆ ブログ連動企画第10弾 ストコフスキーの『大学祝典序曲』諧謔録 ◆

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  いざや我等の 若き命を  いざや我等の 若き命を
  ともに楽しまん ともに寿がん 喜びの春 とく過ぎ行くを

 高校で合唱部に入った時、初めて歌ったのが中世ドイツの学生歌『いざや我等の』、すなわち『大学祝典序曲』の最後に登場する『Gaudeamus igitur』の日本語版の歌詞である。今も憶えていて、私のパート(バス)も含めて歌える。

 『大学祝典序曲』でブラームスが使った4曲のうち、『Landesvater(国の父祖)』以外の3曲がYouTubeにあった。
 1  『Wir hatten gebauet ein stattliches Haus(我々は立派な学舎を建てた)』 

 2 『Was kommt dort von der Höh'(あの山の向こうから来るのは何だ)』
   ラジオ番組『大学受験講座』のオープニングには、『大学祝典序曲』でのこの部分が使われていた。

 3 そして、先にあげた『Gaudeamus igitur(さあ、楽しもう)』


 ドイツ民謡に通じていたブラームスらしい曲の作り方だが、狐狩りの歌である『Was kommt dort von der Höh'』をなぜ使ったのかが不思議で調べてみたら、新入生の歌として知られていたようなので、納得がいった。

 ブラームスに「祝典」は似合わない。バルビローリ/VPOの「きっちりとした」演奏も聴き直してみたが、やはり
すっきりと抜けの良い明るさはない。しかし、陰翳の濃いブラームスの作風によって学生歌が調理されると、そこにはブラック・ユーモアのような曲が出来上がるから面白い。ブレスラウ大学の名誉博士号授与への答礼として、ブラームスは元々曲を作る気はなかったというから、さもありなんと思われる。

 ストコフスキーは、弦の音を大きくうねらせたり、 『Was kommt dort von der Höh'』の箇所では木管のテンポを落とすなどのストコ節を聴かせてくれる。ニューフィルハーモニアOの明晰な音をうまく使い、早目のテンポで、フィナーレの『Gaudeamus igitur』を大いに盛り上げる。ブラームスの諧謔味を、抜けの良さでグイグイと引っ張って行く、聴いていて実に楽しい祝祭的な演奏である。ドイツの伝統的なオケではこうは行かないだろうし、アメリカのパワフルなオケでは軽薄になってしまうだろう。また、イギリスのオケでもロイヤルPOだったら、手堅いが地味な演奏になってしまうと思われる。ストコフスキーのオケ選びの上手さも感じられた演奏であった。

 sawyer様、お次はリストの『ハンガリア狂詩曲第2番』など如何でしょうか。

by Abend5522 | 2012-03-13 23:38 | クラシック音楽


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