Abendの憂我な部屋

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2012年 03月 10日

♬ 楽器のジャケ ♪

 楽器をあしらったジャケは少ない。工夫次第でいいものが出来ると思うのだが。
 「これは味があっていい」と思った2枚を紹介しよう。
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 ハイドンの『軍隊』、『告別』、協奏交響曲を収めたシェルヘン盤。『告別』の終楽章に「演出」が施された、ウェストミンスター音源の国内盤である。
 
 実に面白いジャケだ。大太鼓とシンバルが『軍隊』を表し、奏者が消えて宙に浮いたマレット、片方は大太鼓の上に置かれ、片方は地に伏せられたシンバルが『告別』を表している。楽器に二重の意味を持たせた、掛詞ならぬ掛楽器の風情である。一見すると寂寥感があるが、センスに満ちたユーモアが感じられる。

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 こちらは、ベートーヴェンの七重奏曲、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタK.454を収めた、アンリ・メルケル&リンデンベルク盤で、オデオン音源のモノラル国内盤である。七重奏曲は、リンデンベルクが「指揮」をしている。指揮者がいる、オケ用編曲版ではない室内楽の演奏はこれしか知らない。

 花びらをバックにした、7つの楽器のモノクロ画像。これがカラーだったら、ここに紹介しようとは思わなかっただろう。おそらくは黄色い花びらをバックに、弦の茶、木管の黒と銀、ホルンの金など、下品な色合いにしかならない。モノクロだからこそ、それぞれの楽器が溶け合い、七重奏曲であることを主張する。淡いブルー地に黒のタイトルも、それ故に冴える。

 楽器の配置も秀逸だ。高域を担うヴァイオリンを、チェロ&クラリネットの中域とコントラバス&ファゴットの低域が左右から支え、更にヴィオラとホルンがこれらに合力する形で、作品の象徴である花びらの前で団円を成している。コントラバス&ファゴットの角度のつけ方も面白く、七重奏といっても、2つの楽器をペアとした三重奏とヴァイオリンとの四重奏ですよ、といったメッセージも見て取れる。

 センスに乏しいジャケが多い中、これからも目にとまったものを紹介して行きたいと思う。

 
 

by Abend5522 | 2012-03-10 23:59 | クラシック音楽


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